前回セーラー服をレンダリグした祭に、死蔵してあったThickenerプラグインを使用してみました。
すぐに使い方を忘れるので覚え書きをと^^。

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Thickener Plug-In

前回のセーラー服はMarvelous Designer(MD)で作られているので、MDから厚みを指定して出力すれば良いだけなのですが、以前MDから厚みを付けて出力した際に、布に穴が空く等の不具合が見られたため、なるべくMDからは厚み無しで出力しています。
それと、セールのときに勢いで買ってしまってまったく使っていなかったので実験も兼ねています。

まず衣服に厚み付けをする際に悩ましい問題。
非多様体でもちゃんと動作するのか?
非多様体とは、3つ以上の面が1つのエッジを共有している状態です。
言葉で説明するのは難しいので、まずMDで非多様体を作ってみます。
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白い布の真ん中のエッジに黄色い布を縫い合わせます。
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白い布の真ん中のエッジには、白い布上部・白い布下部・黄色い布が接続しています。
これをobjで書き出すと非多様体になります。
衣服の場合、ポケットを付けたりする場合に多用するので大変悩ましい状態です。
MayaやMaxは非多様体の存在を許してくれません。。。

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MDから出力した布に厚みを付けていきます。
Thickener Plug-Inの操作パネルは、Window - Panes(Tabs)から呼び出します。
Thickener Plug-InはStatic(静止)とDynamic(アニメーション)の両方に対応しています。
今回は静止画用にStaticを選びます。
厚みを付けたいオブジェクトを選択して、厚みや厚み部のエッジの本数を指定してCreateボタンを押します。
今回は分かりやすいように厚みを2cmにしました。

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あぁぁ、やはり縫い目のところが上手くいってませんね。

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ワイヤーフレームで見るとこんな感じに。
まぁ、なんとなく想像通りですが^^;
衣服の厚みだったらこのままでも大丈夫な気はしますが、もっとキレイにいく回避策が有ります。

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Thickener Plug-Inはサーフェス毎やポリゴン毎に厚み付けする範囲を指定出来るので、黄色いサーフェスに厚み付けをしてから白いサーフェスに厚みを付けることが出来ます。
そうすることで縫い目がグチャっとなるのを防げます。
まず黄色い部分に厚みを付けます。
黄色のサーフェスを選択して、Facets to thickenでFrom select surfacesを選択してCreate。

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新しく、<オブジェクト名>-thickというオブジェクトが作成され、黄色い部分のみに厚み付けがされています。
元のオブジェクトは非表示にしておきます。

厚み部分には自動的にBorder-thサーフェスが割り当てられます。
Border-thサーフェスは固定なので、次に白い部分に厚み付けをしても同じくBorder-thサーフェスにされてしまいます。
それでは困るので、今のうちにサーフェス名を変えておきます。
Geometry Editorを使って、Border-th-Yellowという名前に変えました。
次に白い布部分を選択してCreate。

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白い部分にも厚みが付きました。
これで、最初にオブジェクト全体に厚み付けをしたものよりキレイに仕上がりました。

今回は静止画用でしたので、Thickener Plug-Inを使うより外部で厚みを付けてからD|Sに読み込んだ方が融通は利きますが、動画を作る場合は重宝しそうですね。
ただ、厚みの部分を全部Border-thというサーフェスにするのはやめて欲しいなぁ。
せめて元となったサーフェス名を頭に付けてくれるオプションとか欲しいですね。